理事長所信
2025年度
一般社団法人カシオペア青年会議所
第56代 理事長 新毛 真武
理事長 新毛 真武
【はじめに】
我々カシオペア青年会議所(以下、カシオペアJC)は、昨年多数の先輩方、関係各位に囲まれ記念すべき創立55周年を迎えました。記念式典を通じて55年の歴史を受け継ぎ、多大なる感謝と共に次の60周年へと繋ぐ一歩を踏み出す新たな節目となりました。思い返せば私が入会した2020年は世界的にコロナウイルスが猛威を振るい、当時その影響は計り知れないものでした。当たり前が当たり前に出来ない、それはカシオペアJCも例外ではなく、かつて当然の様に出来た運動が制限された年でもあり、それはその後も数年に渡り影響を受ける事となりました。しかし当時の先輩方はその様な状況下の中で自分たちに出来る事は何か、何を求められているのかを模索し、地域に希望をもたらす青年としての姿に、感動と尊敬の念を持ったのを今でも印象深く覚えています。どの様な状況下においてもあの先輩方の姿勢は私の指針であり目標です。
私は、2022年度二戸祭り前夜祭としてのカシオペアフードフェスティバルと打ち上げ花火事業を実行委員長として開催する機会をいただきました。その前夜祭事業は2年連続の中止を経た後に地域の皆様に再び笑顔と活気を取り戻すための場として、また、長引く不安を払拭し、地域の一体感を取り戻す象徴として行われました。準備期間中、関係者の皆様や地元の企業のご協力を得ながら、開催への熱意と地域活性化への想いを一つにし、皆で目標に向かって歩んだことは私の青年会議所で得た財産の一つです。コロナ禍を経て、地域や社会の構造は確かに変わりつつあります。しかし、変化の中でも「人と人とのつながり」は決して薄れることなく、むしろ困難な時代だからこそ重要性を増していると感じます。次の60周年に向け、カシオペアJCはこれまで築き上げてきた伝統と信頼を大切にしつつ、さらに地域にとって不可欠な存在であり続けるために、新しい取り組みを模索していかなければなりません。特に、持続可能な社会を見据えた地域づくり、若者や子供たちが将来に夢や希望を抱ける環境作りに貢献することが、我々に求められていると確信しております。私たちが理想とする「豊かな地域社会」の実現には、地域の皆様と共に成長する姿勢が不可欠です。これからも、地域の皆様と協力し合い、これまでの歴史を礎に、革新と挑戦を続け、未来への一歩を踏み出す1年にすべく第56代理事長として邁進して参ります。
【多くの仲間と共に チャレンジできる組織へ】
我々カシオペアJCの会員数は減少傾向にあり期首には(過去一番少ない)〇〇人でのスタートを迎えます。更に、活動経験に明確な層がある現状にあります。会員を拡大することは、組織を維持・発展するために不可欠な取り組みです。会員としてともに運動をし、地域の先頭に立って活動をしていく同志を迎えることは、我々の運動の幅を更に広げ、私たちが住み暮らすまちに運動の効果を波及させることができ、明るい豊かな社会の実現に近づくものとなります。多様な立場と考えをもった新たな仲間たちに対し、活動に参加することによって得られる様々な機会、有意義な活動や活用方法への理解を深めてもらい、より大きな運動を生む組織へと成長して参ります。JCの活動は、ただ地域に貢献するだけでなく、参加するメンバー一人ひとりの成長や喜びをもたらすものであることを、新しい仲間たちにも実感していただきたい。そのために、現状に甘んじることなく、斬新なアイディアや個性を積極的に取り入れ、組織を活性化し続けることが求められます。私たちの挑戦が地域と組織の発展の原動力となり、「新たなチャレンジが新しい仲間を惹きつける」そんな組織を目指していきます。
【未来の宝 青少年の健全育成】
私たちの住み暮らす地域が持続的に発展するためには、まちの将来を担う子どもたちの健全な育成が必要です。子どもたちが、まちの魅力や課題を身近に感じ、自ら考えて判断し行動する自律力、多様性を尊重したコミュニケーション能力、そして問題を解決し新たな価値を生み出す創造力をもった人財へと成長することが、このまちの明るい未来へと繫がります。私たちの少年期には、五感で感じることで様々な情報や学びを得ていました。近年では、オンラインコミュニティの拡大により、情報や知識へのアクセスが非常に容易になりました。しかし、オンラインコミュニティの拡大は多くの利点をもつものの、青少年の健全な育成という点においては、運動を伴う多様な体験や対人スキルの育成が課題となっており、この自然豊かなカシオペア地域においてさえ同様の課題を持っていると考えます。だからこそ我々は、利点や課題への理解を深め、JCだから実施出来る成長の機会を創ります。そして、自ら学び論理的に考えて行動に移すことの大切さを知った青少年を育む機会を創出することで、子どもたちのみならず地域の方々にも気付きと成長をもたらし、未来を担う青少年育成に繋げて参ります。
【政治参画意識にタネを撒き続ける】
JCの運動の目的は、「明るい豊かな社会の実現」です。では、明るい豊かな社会とは何でしょうか。その価値基準は人により、また時代によって変わることもあります。だからこそ、様々な人が暮らすこの地域社会の中でまちづくりや政治に当事者意識を持ち、同時代を生きる青年同士で考え、語り合っていくことが重要な一歩になるのではないでしょうか。我々は公開討論会や、昨年度行った高校生を対象とした議会制民主主義に焦点を絞った事業を通して政治参画意識を高めるアプローチを行ってまいりました。長年、若者の投票率の低さが問題になっていますが、未来を考え、今後の社会をつくっていくのが政治であるとすれば、次代を担う青年こそが、政治の主体者となっていく必要があります。我々は当事者としてその若年層と政治に対する運動を絶やすことなく働きかけ続け、共に学び合い高め合う事業を展開して参ります。
【新たな賑わい創出への挑戦】
我々カシオペアJCの一大事業である打ち上げ花火事業は、募金玉を作成する地域の児童から始まり、地域の住民の協力と共に成る、地域全体の事業として理想的なリレーからなる事業です。この伝統のある事業を本年度も実施し郷土愛の醸成や地域の活性に向けて尽力して参ります。この愛される事業を持続可能なものとする為、我々は大平球場・馬淵川公園・九戸城跡など様々な場所・手法を画策してきました。内容を維持するだけに留まらずこの事業を通じて新しい賑わいの創出に挑戦し続ける。それが伝統を引き継ぐ我々の使命です。新しい一歩を踏み出す中でメンバー一人ひとりが自ら考え行動できる能力を磨き、組織としてのさらなる発展を目指して参ります。
【結びに】
「SENSE OF WONDER」この言葉には、「不思議を感じる能力」すなわち探求心という意味と、幼い頃にあった無垢な「ワクワクできる」才能という意味があります。何故、こういう現状なんだろう、どうすればよくなるんだろうという視点を地域の未来へ向け、共にワクワクさせあえるメンバーの理想像をこのスローガンに込めました。個々の多様な視点や感性が交差する新たな価値が生まれる場を創り出し、日々の営みや何気ない風景の中、探求心をもった人々が集まることで、私たちのコミュニティはより豊かで温かいものになります。このスローガンを胸に、私たちは現状に満足することなく、「どうすればもっと良くなるのか」「どんな未来を描けるのか」を常に考え続けていきます。55年の感謝と誇りを胸に60年の歴史へ。メンバー一同、一丸となって歩んで参ります。